ゲーミングモニターやテレビのスペック表でよく目にする「色深度(ビット深度)」(約1,670万色とか8bit等の表記)は、
1色あたりに「何段階の濃さ」を表現できるかを示す指標です。
色域(どれくらいの範囲の色をカバーしているか)とは似ているようでまったく別の概念であり、モニターの画質を理解するうえで重要なポイントになります。
この記事では、初心者でも理解できるように、色深度の意味、仕組み、映像の品質(HDRなど)への影響を整理します。
【1分で分かる】色深度とは「階調の細かさ」を示す数値
色深度は bit(ビット:2進数) の単位で表され、
「R(赤)・G(緑)・B(青)」それぞれに 何段階の階調を割り当てられるか を示します。

- 8bit →→→ 256段階(28)(通称:フルカラー)
- 10bit →→→ 1,024段階(210)
- 12bit →→→ 4,096段階(212)
RGBは3色で構成されているため、全体として扱える色数は大きく増えます。
例えば、8bitなら、
[ R(256)× G(256)× B(256)= 約1670万色 ]
となります。
表示可能な総色数
| 色深度 | RGBの階調数 | 表示できる色数 | 用途の例 |
|---|---|---|---|
| 8bit | 256段階 | 約1,670万色 | 一般的なPCモニター、フルHD中心 |
| 10bit | 1,024段階 | 約10億7,000万色 | HDR対応モニター、クリエイター向け |
| 12bit | 4,096段階 | 約687億色 | 映像制作、シネマ機材など |
色数が多いほどグラデーションが滑らかになり、色の急な変化(段階状の縞模様、“バンディング”)が減ります。

色深度が高いと何が良いの?
- グラデーションが滑らかになる
- 明暗の境界の『段差』が出にくい
- HDR表現が豊かになる(10bitが基本)
- 色補正・編集で破綻しにくい
グラデーションが滑らかになる
空や夕日のような“色の変化が緩やかな部分”で特に違いが出ます。
低ビットでは階調が足りず、急に色が変化するような帯状のノイズ(バンディング)が発生します。
明暗の境界の『段差』が出にくい
ゲームでの「暗部 → 明部」のグラデーション、映画の暗所などで破綻(階調不足によるパキッとした段差)が減ります。
HDR表現が豊かになる(10bitが基本)
HDRは明るさ情報が増えるため、8bitでは階調が足りなくなり、破綻しやすくなります。
そのため HDR600/HDR1000の本格表示には10bit(あるいはFRC込みで10bit相当)が定番。
色補正・編集で破綻しにくい
動画編集・写真編集では後工程で色調整が入るため、階調が広い10bit以上の方が扱いやすいです。
10bitにも種類がある?「FRC」と「ネイティブ」
最近のモニターでは 10bit(8bit + FRC) と書かれることが多いです。
8bit + FRC(擬似10bit)
8bitパネルに高速で色を点滅(フレームレート制御)させ、10bit相当の階調を“疑似的に”再現する技術。
実際の表示では人間が区別しづらいケースが多く、現在のゲーミングモニターではほぼ標準的な技術です。
ネイティブ10bit(本物の10bit)
パネル自体が1,024階調を持つ方式。映像制作やプロ向け機材ではこちらが使われることが多いですが、モニターの価格は高くなります。
よくある誤解:色深度が高ければ「色域も広い」は間違い
色域(sRGB / DCI-P3 / Adobe RGB)は、「どこまで色の範囲をカバーしているか」 を示す指標です。
一方で、色深度は 「1つの色の変化をどれだけ細かく表せるか」 の指標。
- 色域 → 範囲(どんな色まで出せるか)
- 色深度 → 精度(その色を何段階で表現できるか)
別物なので、「色深度10bitでも色域が狭いモニター」は存在します。
ゲーミングモニターではどれを選ぶべき?
一般的な用途なら 「10bit相当(8bit+FRC)」 がほぼ最適 です。
- 一般利用(ネット・作業・HDRゲームをしない)
→ 8bitでも大きな問題はない - HDRゲーム・映画視聴
→ 10bit相当(8bit+FRC)はほぼ必須 - クリエイター用途
→ ネイティブ10bit以上が理想 - Mini LED や QD-OLED の良さを活かしたい
→ 10bit以上が前提
特に現在は HDRタイトルが増えており、WQHD・4Kモニターなら10bitで作られていることも増えたため、色深度がそのまま画質体験に直結します。
まとめ:色深度は「色の滑らかさ」を決める重要要素
- 色深度はビット数で「階調の細かさ」を示す
- 10bitは8bitの4倍の階調を持つ
- HDR表示には10bitがほぼ必須
- FRC方式の10bitでも実用上は問題ない
- 色域とはまったく別の指標
高い色域(広い範囲)
+
高い色深度(細かい階調)
この二つが揃ってはじめて、HDRらしい立体的で豊かな色表現が成立します。








