I-O DATAのゲーミングモニター「GigaCrysta」ブランドには「HFSパネル」という聞き慣れないパネルを採用したモデルがいくつか存在します。
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スペックを見ると視野角178°・高発色といった特徴を持っていて、ぱっと見は一般的なIPSパネルと同じように思えます。
ただ「HFS」と書かれていると「IPSと何が違うの?」と気になりますよね。
この記事ではHFSパネルについて、IPSパネルとの違いやゲーミング用途での立ち位置をわかりやすく解説します。
HFSパネルはIPS系の一種
まず結論から言うと、HFSパネルはIPS系パネルの一種です。
視野角が広く、発色が良く、ゲーム用途でも映像用途でも安定した性能を発揮します。
メーカーによって「HFS」という名称が使われているだけで、基本的な仕組みや映像体験はIPSパネルと大きな差はありません。
HFSパネルはIPSパネルと何が違うのか?
HFSパネルはI-O DATAのモニター製品でよく見かける名称ですが、IPS方式の液晶分子配列を採用していることには変わりありません。違いがあるとすれば、
- 製造元や開発の系統が異なる
- 製造コストが比較的低く抑えられており、価格面で有利になる場合がある
という感じで、IPSの改良版としての位置づけに近く、実際の使用感で「IPSとは別物」と感じることはまずありません。
IPSパネルにはさまざまな派生がある
実はIPSパネルにはいくつかの派生版が存在します。
- AH-IPS:LG Display開発。色域や輝度の改善を重視。
- PLS:Samsung開発。コストを抑えつつ輝度を高めたタイプ。
- ADS(I-O DATA採用例あり):BOE開発。コスパを重視したIPS系
- AHVA(I-O DATA採用例あり):AUO開発。応答速度を改善したIPS系
このように、IPSパネルは各メーカーが改良を加えてさまざまな名前で販売しているのです。HFSもその一つと考えてよいでしょう。
HFSパネルを特別に区別する必要なし!
ありません。HFS=IPS系パネルと思って問題なしです。他の派生先との違いも特段気にするほどではないです。
スペック表記に「HFS」とあるからといって性能が特殊というわけではありません。
一般的なIPSパネルと同じように「広視野角」「高発色」「ゲーミングから映像視聴まで幅広く対応」という特性を備えています。
ゲーミングモニターを選ぶならHFSかIPSかより他方式との違いに注目すべき
IPSかHFSかで悩むよりも、むしろTNやVAと比べてどうかを意識するほうが選びやすいです。
液晶パネル方式の特徴
| パネルの種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| TN FPS向き | ・応答速度が速い ・安価 | ・視野角が狭い ・色味が全体的に白っぽい |
| IPS 汎用 | ・視野角が広い ・色味が良い、色の再現度が高い | ・TNと比べて応答速度がちょっとだけ遅め ・値段がちょっと高い ・黒色が少し浅い |
| VA 映像鑑賞向き | ・黒色の表現が綺麗(暗いシーンに強い) ・コントラスト比が高い | ・視野角が狭い ・応答速度がやや遅い |
- TNパネル:応答速度が最速で価格も安い。FPS向けに特化しているが、色が白っぽくなり視野角も狭い。
- IPSパネル(HFS含む):色再現性と広視野角に優れ、万能型。ゲームから映像鑑賞まで幅広く使えるが、TNより応答速度がわずかに劣り、価格もやや高め。
- VAパネル:コントラスト比が高く、映像が鮮やかに見える。暗いシーンの描写に強いが、応答速度が遅めでゲーミング用途にはやや不利。
おすすめはIPS(HFS含む)パネル
現状、ゲーミングモニターを選ぶなら万能型のIPSパネルがもっとも無難です。
IPSパネルは開発当初は弱点であった、応答速度が改善され、市場に多く出回ることで価格も下がってきました。
今では画質の良さと応答速度やリフレッシュレートの速さなどをすべて備えた万能パネルとなっています。
どんなゲームジャンルを遊ぶにしてもとりあえずIPSパネルを採用したゲーミングモニターを選んでおけば不満なく遊ぶことができます。
HFSパネルはそのIPS系の一種なので安心して選べます。
重要なのは「価格」や「保証」、「リフレッシュレート」、「応答速度」、「付加機能(スタンド性能、HDR対応など)」です。それらを重視して選べば、HFS表記であることは特に気にしなくても大丈夫です。
TNパネルは低コスト重視の人か一部プロ志向の人が使うもの
IPSパネルとは反対にTNパネルはその性能がピーキーで、「価格の安さ」と「応答速度の速さ」のみに全振りという感じです。
とにかく安いゲーミングモニターがほしいという人におすすめできます。
また、TNパネルを採用したゲーミングモニターにも良質なモデルもあり、BenQの「ZOWIE」シリーズなんかはその最たるもので、多くのプロFPS・TPSゲーマーが採用しています。
VAパネルはゲーミングモニターとしては選ぶ理由は特にない
VAパネルを採用したゲーミングモニターもありますが、「映像美を重視していて、応答速度やリフレッシュレートはある程度犠牲になってもいい」という比較的ニッチなゲーマーを対象にしています。
高級なモデルや湾曲型モデルがVAパネルの大部分を占めるため、ある一定の層以外にはVAパネルはおすすめはできません。
ゲーミングモニターのそのほとんどはIPS系パネルであり、少しの割合TNパネルが市場に残っているという具合です。
ゲーミングモニターのおすすめパネル方式まとめ
- IPSパネルが万能でどんなゲームジャンルにも対応しているため一番オススメ
- TNパネルはFPS・TPS向き
- VAパネルはニッチなのであまりおすすめできない
HFSパネルについてのまとめ
- HFSパネルはIPS系の液晶方式の一つ
- 性能的にはIPSパネルとほぼ同じ
- 特別に区別して考える必要はない
- ゲーミングモニター選びではTN・VAとの違いのほうが重要
要するに「HFS=IPSの仲間」くらいの理解で問題ありません。
モニター選びではパネル方式の名称よりも、リフレッシュレートや応答速度、HDRや色域などトータル性能を見て判断しましょう。




