ADSパネルとはなにか?IPSとほぼ一緒だけど何が違うのか?

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gigacrystaのイメージ

ゲーミングモニターを調べていると、なにやらADSパネルというあまり目にしたことのない名前のパネルが採用されていることがありますよね。

このADSパネルっていったいなんなんでしょう?

採用されているゲーミングモニターのスペックを見てみても、よくあるIPSパネルを採用した多くのゲーミングモニターとなんら違いがないように思えます。

この記事ではADSパネルとはいったい何なのか、専門的な用語はほとんど使わずにわかりやすく解説します。

まずは結論:ADSパネルはIPSパネルとほぼ一緒だから気にする必要なし!

ADSパネルを採用したゲーミングモニターで有名なのはI-O DATA(アイ・オー・データ)から発売されている「GigaCrysta(ギガクリスタ)」シリーズです。

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IODATA GigaCrysta EX-LDGC241UDB
ゲーミングモニターIODATA EX-LDGC241UDB
画像出典:Amazon
IODATA GigaCrysta EX-GD271JD
IODATA GigaCrysta EX-GD271JD
画像出典:Amazon

これらのゲーミングモニターのスペックは一般的なIPSパネルのゲーミングモニターとほとんど同じです。

公称スペックに多少の違いはありますが、それはちょっとでも良く見せようとする企業側の作戦なので実際に違いはまずないと思って良いです。

で、結論ですが、ADSパネルはIPSパネルと基本的に違いはなく名前が違うだけの同じパネルだと思ってもらって何も問題ないです。

ADSパネルとIPSパネルは同じ液晶方式で親戚みたいなもんなので、ユーザー側が特に区別する必要もないです。

唯一違うところといえばADSパネルを採用したゲーミングモニターのほうがちょっとだけ価格が安いというところでしょうか。

I-O DATAのゲーミングモニターはIPSパネルを採用した他メーカーのゲーミングモニターと同等の性能も持ち、かつ価格が比較的安いためコストパフォーマンスが高いです。

ポイント
  • ADSパネルとIPSパネルは親戚でほとんど一緒
  • ADSパネルのほうがちょっと安い

ADSパネルとIPSパネルの違いは?

基本性能は同じ

ADSパネルとIPSパネルは、液晶パネルの種類としては同じカテゴリーに分類されます。

液晶パネルは大きく分けて、TN方式、VA方式、IPS方式(ADS方式を含む)の3タイプに分かれます。

異なるのは液晶分子の駆動方式と液晶分子の配置方法です。なんのことだかよく分かないと思いますが、分からなくても何も問題ありません。

液晶パネルの種類特徴液晶分子の駆動方向
TNパネル応答速度が速く、残像が少ない。
価格が安い。
動きの早いゲームやFPSに向いている。
垂直
VAパネルコントラスト比が高く、画面がよりくっきりはっきりと映る。
映画やビジュアルに特化したゲームに向いている。
垂直
IPSパネル(ADS)総合力が高く、色鮮やかで色再現性が高い。
応答速度もTNパネルについで速い。
あらゆる映像やゲームジャンルに向いていて汎用性が高い。
水平

ADSはIPSと同じカテゴリーに属する液晶パネルだと言うことが分かればそれでOKです。

異なるのは開発元と名前

では、もうちょっと踏み込んでADSパネルとIPSパネルの違いを解説しましょう。

ADSパネルとIPSパネルは同じ方式の液晶パネルですが、開発元が違います

IPSパネル

1996年に日立製作所によって開発された。TNパネルの視野角の狭さと色の再現性を改善するために開発されました。初期は応答速度が遅く残像感もあり消費電力も高かった。現在では改良に改良を重ねコストダウンや応答速度の改善により手に入れやすく性能の高い万能な液晶パネル方式になった。

ADSパネル

2007年頃(正確な年月は不明)に中国のBOEテクノロジーグループ(京東方科技集団)という企業によって開発された。ディスプレイの歴史としては浅い部類。

IPSパネルのほうが歴史が古いです。ただ現在では技術が確立されより改良を施され、ゲーミングモニターといえばIPSパネルという感じになっています。なので良い製品が多いのがIPSパネルの特徴です。

ADSパネルはまだ歴史が浅く市場での浸透率は低いです。だからあんまり目にしたことがなかったんですね。

ADSパネルをゲーミングモニターで積極的に採用しているのはI-O DATAぐらいしか見当たりません。

ADSパネルはIPSパネルよりも後に開発されただけあって、IPSパネルの性能は継承しつつ「応答速度や透過率の改良」+「コストを下げる」といった方向へブラッシュアップされたイメージです。

ゲーミングモニターを選ぶならADSとIPSの違いよりも他の方式との違いを重視すべし

ここまで見てきたようにADSとIPSにはほとんど違いはありません

開発の歴史が違うぐらいで、現在の両者の性能差はほぼ無く、製造しているモニターメーカーの技術力のほうがよっぽど差があるといった状況です。

モニター選びでADSにしようかIPSにしようかと言うのは、悩み方としてはあまり適切ではなく、TNパネルやVAパネルと比べてどうしようかと悩むのが適切な悩み方といえるでしょう。

IPSパネル

ゲーミングモニター市場では現在はIPSパネルが主流で、あらゆるゲームジャンルで使えるため、汎用性のたかさから一番おすすめできるパネル方式です。

多くのモニターメーカーに採用され優秀な製品がたくさんあります。ADSパネルのゲーミングモニターもIPSパネルと同等の性能なので同じようにおすすめのモニターです。

IPSパネル及びADSパネルを採用したゲーミングモニターは多く、各メーカーの主流ラインナップに位置づけられています。

IPSで特におすすめのメーカーはAcerやAOC、ADSはI-O DATAといった感じです。

TNパネル

TNパネルは視野角が狭く色再現性も低く画面全体が白っぽくなるといったデメリットはありますが、応答速度が全液晶パネル方式の中で最速であり製造コストも低く安価というメリットがあります。

ほぼFPS・TPS特化という印象ですが、ガチのFPS・TPSゲーマーなら検討すべきパネル方式です。

TNパネルを採用したゲーミングモニターでおすすめなのは圧倒的にBenQのZOWIEシリーズです。

BenQ ZOWIE XL2546X
BenQ ZOWIE XL2546X
画像出典:Amazon

応答速度の速さや最高性能の黒挿入機能による残像感の無さ、敵やオブジェクトの視認性を向上させる各種ゲーム機能などFPS特化と言っても良いほどの最強ゲーミングモニターです。

・エントリーモデル

・ヘビー~プロFPSユーザーモデル

・プロFPSユーザーモデル

VAパネル

VA方式のゲーミングモニターは映像が映えるというか、コントラスト比が高いため特に暗いシーンの映像が見やすく美しいです。

応答速度が遅めなのであまりゲーミングモニターでは採用されない方式ですが、映画やドラマなどの映像作品を鑑賞するには適した方式なので家庭用のテレビやモニターに採用されています。

VAパネルでもゲーミングモデルとして応答速度の速いモニターも存在するのでそれらを映像作品の鑑賞とゲーム用途を兼ねる兼用モニターとして購入するのもありな選択肢です。

まとめ:ADSパネルとIPSパネルの違いと他の方式との違い

ADSパネルはIPSパネルと同じ液晶方式で親戚みたいなものです。なので特にこれと言った大きな違いはないほとんど同じものだと思ってもらえればOKです。

性能は同じでADSのほうがちょっと安いかもというくらいの違いしかありません。

ただ一応IPSパネルのほうが歴史が古く、多くのメーカーに採用され技術蓄積があるため、良いモニターを探すという観点であれば、IPSパネルのほうが良い商品が見つかる可能性が高いです。

モニターはADSパネルとIPSパネルの違いよりも、TNパネルやVAパネルとの違いのほうが性能差がはっきりしているので、モニターを選ぶときはそれらの方式の違いに注目して求めるスペックのものを選択するようにしましょう。