QD-OLEDは、最近テレビやゲーミングモニターでよく見かけるようになった新しいタイプの画面のことです。映像がとてもきれいに見えることで注目されていますが、
「結局どんなパネルなの?」「OLEDや液晶と何が違うの?」「焼き付きって本当に起きるの?」と疑問に思う人も多いはずです。
この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、QD-OLEDの仕組みや特徴をやさしく解説します。初心者でも読める内容にしているので、買う前に知っておきたいポイントをしっかり理解できます。
QD-OLEDとは?
QD-OLEDはSamsung Displayが開発した有機ELの進化版ディスプレイです。
従来のOLED(有機EL)は自発光によって高いコントラストを実現していましたが、QD-OLEDではそこに量子ドット(Quantum Dot)技術を組み合わせることで、さらに「高輝度」「広色域」「鮮やかな発色」を実現しています。
一言でまとめると、
QD-OLED = 黒の表現に優れる(OLED) × 色の鮮やかさが際立つ(量子ドット)
のハイブリッド技術ということになります。
液晶や従来のOLEDよりも高い映像品質を実現する、現時点で非常に高性能なディスプレイ方式です。
仕組みを簡単に解説
従来のOLEDは「RGBそれぞれの有機ELが発光する方式」でしたが、QD-OLEDは次のような構造になっています。
青色OLEDの光 → 量子ドットで赤・緑に変換 → RGBを生成

つまり、青色の有機ELをベースに光を作り、量子ドットで色変換する方式です。この仕組みにより、RGBの光の純度が高まり、色の表現力や明るさが向上します。
QD-OLEDのメリット
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 漆黒の黒と高いコントラスト | バックライトを使わない“自発光”方式(ピクセル単位で点灯・消灯が可能)のため、本物の黒を表現できる。映画やゲームで映像が引き締まり、没入感が高い。 |
| 色がとても鮮やか | 量子ドットにより色の純度が高く、特に赤と緑の発色が豊か。従来のOLEDよりも鮮やかな色表現を実現。映像が立体的に見えるほど鮮やか。 |
| HDR映像に強い | 従来のOLEDの弱点だった明るさを改善し、HDRゲームや映画で明るい部分と暗い部分の表現力が高い。 |
| 応答速度が非常に速い | 0.03msクラスの応答速度で残像が少ない。240Hzや360Hzのゲーミングモデルもあり、FPSにも最適。(これはOLEDの従来からの特性) |
QD-OLEDのデメリット
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 焼き付きリスク | 静止画を長時間表示すると画面に残像が残る可能性がある |
| 価格が高い | 同サイズの液晶と比較して非常に高価 |
| 白表示が苦手 | 青色発光ベースのため、大面積の白がやや青みがかる場合がある |
| 反射対策が必要 | 光沢パネルが多く、明るい部屋では映り込みやすい |
焼き付き対策として多くの製品に画素シフト機能やロゴ輝度制限などが搭載されていますが、UIの常時表示が多い作業用途では注意が必要です。
従来OLEDとQD-OLEDの比較
| 項目 | QD-OLED | 従来OLED | 違いのポイント |
|---|---|---|---|
| 黒の表現 | ◎ | ◎ | どちらも自発光で黒表現は強い |
| 明るさ | ○ | △ | QD-OLEDの方が明るくHDRに強い |
| 発色 | ◎ | ○ | 量子ドットにより色の鮮やかさが向上 |
| 色の正確さ | ◎ | ○ | QD-OLEDは純度の高いRGB表示で、より色再現性が高い |
| 焼き付き | △ | △ | どちらも注意が必要 |
| ゲーム適性 | ◎ | ◎ | どちらも超高速な応答速度で優秀 |
- 総合的な画質を重視するならQD-OLEDの方が良い
- 欠点としての「焼き付きリスク」は従来OLEDと同じで依然として存在する
- 価格面ではQD-OLEDの方がやや高め
Mini LEDとQD-OLEDの比較
| 項目 | QD-OLED | Mini LED | 違いのポイント |
|---|---|---|---|
| 黒の表現 | ◎ | ○ | Mini LEDは局所調光で黒表現は液晶より改善しているが、QD-OLEDには劣る |
| 明るさ | ○ | ◎ | Mini LEDは非常に明るく白の表現が得意 |
| コントラスト | ◎ | ○ | QD-OLEDは暗所の映像表現が強い |
| 焼き付き | △ | ◎ | Mini LEDは焼き付きなしで安心 |
| ゲーム向け | ◎ | ○ | 応答速度はQD-OLEDのほうが優秀 |
| コスパ | △ | ○ | Mini LEDの方が価格は低い |
- 明るい部屋や作業と併用するならMini LEDのほうが少し優れている
- 映像の美しさ・映画・ゲームの没入感はQD-OLEDの方が優秀
- 焼き付きが心配な人にはMini LEDが安心
- Mini LEDの方が低価格なため導入しやすい
QD-OLEDはどんな人に向いている?
買って後悔しない人
おすすめしない人
おすすめのQD-OLEDゲーミングモニター3選
【27インチ・WQHD・280Hz】IODATA GigaCrysta EX-GDQ271UEL
| 画面サイズ | 27インチ |
| 解像度 | WQHD(2560×1440) |
| リフレッシュレート | 280Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
| Display HDR | |
| 色域 | DCI-P3カバー率 99% |
【32インチ・4K・240Hz】MSI MPG 321URX QD-OLED
| 画面サイズ | 31.5インチ |
| 解像度 | 4K(3840×2160) |
| リフレッシュレート | 240Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
| Display HDR | |
| 色域 | DCI-P3カバー率:99%、AdobeRGBカバー率:97%、sRGBカバー率:100% |
【湾曲・OLED(有機EL)・4K・34インチ】Dell AW3425DW
| 画面サイズ | 34インチ(湾曲率1800R) |
| 解像度 | UWQHD(3440×1440) |
| リフレッシュレート | 240Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
| Display HDR | |
| 色域 | DCI-P3カバー率:99.3% |
まとめ
QD-OLEDは「有機ELの映像美」と「量子ドットの色再現」を融合した、現行トップクラスの映像技術です。価格や焼き付きリスク(注意すれば問題なし)はあるものの、それを補って余りある圧倒的な画質と没入感を得られます。


