ゲーミングモニターとテレビの違いを完全解説

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ゲーミングモニターとテレビは何が違う?

ゲーミングモニターってなんで「ゲーミング」て名前がつくのか知っていますか?

ゲーミングモニターだって、テレビだって、PC作業用のモニターだってノートパソコンのモニターだってスマホのディスプレイだって全部同じ液晶モニターです。

ではなんでゲーミングモニターには「ゲーミング」と名前がつくのでしょうか?

この記事ではゲーミングモニターとテレビや普通のモニターとの違いを解説します。

「ゲーミングモニター」と「テレビ・PCモニター」の最大の違い

以下のの4つの点がゲーミングモニターを「ゲーミング」たらしめる要素で、一般的なテレビ等のモニターとの大きな違いです。

  • 応答速度が速い(1ms)
  • リフレッシュレートが高い(120Hz~500Hz)
  • 入力遅延が少ない
  • ゲーム用の接続端子

ゲーミングモニターは応答速度が速い

ゲーミングモニター一般的なテレビやPCモニター
1ms10ms

応答速度が速ければ速いほど映像の残像感が減ります。

応答速度が速いときの映像
応答速度が速いときの映像(残像がほぼ発生しない)※画像出典:https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia01_03/
応答速度が遅いときの映像
応答速度が遅いときの映像(残像が発生する)※画像出典:https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia01_03/

ゲーミングモニターは目まぐるしく変わる映像でも残像が発生しないように応答速度を極限まで速くしています。

ちなみに応答速度とは画面の色の切り替えにかかる時間のことです。応答速度について詳しくは以下の記事をご覧ください。

テレビ等の一般的なモニターでは、ゲームのような高速な視点移動などを行わないため、あくまでテレビ映像の残像が発生しない程度の応答速度にとどめた性能しか持ち得ない場合が多いです。

応答速度を速めるためにはディスプレイの製造コストが上がってしまうため、テレビ等の一般的なモニターでは不必要な応答速度は採用していないんですね。

このため、テレビ等の一般的なモニターでゲームを遊ぼうものなら残像が発生しまくりで純粋にゲームを楽しむことは難しいでしょう。

ゲーミングモニターはリフレッシュレートが高い

ゲーミングモニター一般的なテレビやPCモニター
120Hz~500Hz~60Hz

リフレッシュレート映像のなめらかさに関わる重要な数値です。

数値が高いほど映像がなめらかになります。逆に低いとカクカクした映像になります。

以下の映像がわかりやすいです。

テレビ等の一般的なモニターではせいぜい60Hzが最大です。これはテレビの映像のリフレッシュレートがそもそも60Hzでこれ以上は必要ないからです。

しかし、ことゲームとなるとより滑らかな映像にすることによってゲームをより楽しめる、対戦ゲームでは勝率アップにつながるなど、とても重要な要素なのでリフレッシュレートは120Hz以上が当たり前になっています。

ゲーミングモニターの主なリフレッシュレート
  • 120Hz(初期の頃は多かったが最近減ってきた)
  • 144Hz(近年のゲーミングモニターの最低値)
  • 165Hz(144Hz同様ここが最低値となることが増えた)
  • 200Hz(たまに見かける隙間のリフレッシュレート帯)
  • 240Hz(最近はゲーミングモニターといえばこの数値が一種のスタンダード)
  • 280Hz(360Hzはやり過ぎなのでちょっと価格を抑えた機種に採用される)
  • 360Hz(正直やり過ぎでまともに動かせるマシンはほぼ皆無)
  • 500Hz(意味があるのか不明なもの好きな人用)

60Hzのテレビやモニターでは十分にゲームを楽しむことは難しいですし、対戦ゲームでは確実にハンデを背負うことになります。

ゲーミングモニターは入力遅延が少ない

ゲームはコントローラーやマウス・キーボードなどを用いてキャラクターや画面を操作をします。

この操作の信号がモニターに伝わって実際に映像に反映されるまでが限りなく速いのがゲーミングモニターの特徴です。

一般的なテレビやモニターではボタンを押してから映像に反映されるまで若干のタイムラグが発生します。

そのため、ゲームで敵の攻撃を避けたり、タイミングよく攻撃を当てたりといったことが難しくなります

ゲーム用の接続端子

DisplayPortケーブル

テレビはパソコンに接続することを想定していないのでHDMIまでしか接続端子が搭載されていないことのほうが多いですが、ゲーミングモニターはより高リフレッシュレートを実現するDisplayPortや同じHDMIでもバージョンの高いもの(高いほど高リフレッシュレートが可能)を搭載しています。

また、ゲーミングモニターは多くのマシン(複数のゲーム機やPC)と同時に接続しておけるようポート数が多く搭載されていることが多いです。

これは遊ぶゲームによって使用するマシンが異なる時に、切り替え時に接続コードの抜き差しの手間を省くためです。

ゲーミングモニター特有の機能

ゲーミングモニターには他にもテレビなどにはない以下のような特有の機能があります。

  • ゲーム用の特定の機能

ゲーム用の特定の機能

ゲーミングモニターにはゲームを有利にしたり、ゲームジャンルごとに遊びやすくするための調整機能などが備わっています。

さらなる残像低減

応答速度が速いゲーミングモニターですが、極限まで残像を除去するために黒挿入といった機能が備わっていることがあります。

これらはより競技シーンに合わせた機種になります。

各メーカーの黒挿入例
メーカー名黒挿入の名称
BenQDyAc、DyAc+
ASUSELMB
PixioMPRT
AcerVRB

ゲーム用のカラー調整機能(暗い部分を認識しやすくする・敵の視認性を上げる等)

Color VibranceとBlack eQualizerの解説
画像出典:https://zowie.benq.com/ja-jp/monitor/xl2411k.html

ゲームでの視認性を上げる機能がゲーミングモニターには備わっていることが多いです。

暗い部分だけ見やすくする機能やカラー調節によりゲーム内で敵の視認性を上げる機能などが代表的です。

メーカーによってこの機能の呼び方はまちまちで統一されていませんが、多くのゲーミングモニターに備わっている機能になります。

FPS表示

画面内に今のFPS(フレームレート)する機能です。ゲーム内のフレームレートが高いことが重要な対戦型シューティングゲームなんかでは今どれくらいのフレームレートなのか一目でわかるこの機能は勝敗を分析するのに役立ちます。

オーバードライブ

モニターの電圧を上げ、性能を向上させる機能です。最大のリフレッシュレートを維持したり、より速い応答速度を使用可能になります。

ゲーミングモニターにはいろんな機能があって紹介しきれない

ここに上げた機能は数あるゲーミングモニターがだいたい共通して備えている機能です。

それぞれ個々のゲーミングモニターの機種には他にも独自の機能が備わっており、同じモニターでもテレビや普通のPCモニターとは全然違う製品です。

ゲーミングモニターとテレビの採用されるパネルの違い

ゲーミングモニター一般的なテレビ
IPS/TNVA

ゲーミングモニターは速い応答速度と高いリフレッシュレートを両立するために、パネルの種類はIPSパネルTNパネルであることが一般的です。

対してテレビは映像をいかに美麗に表現するかが求められるので、コントラスト比の高いVAパネルが採用されることが多いです。

パネルの種類による違いは以下の通りです。

パネルの種類メリットデメリット
TN
ゲーム向き
・応答速度が速い
・安価
・視野角が狭い
・色味が全体的に白っぽい
IPS
汎用
・視野角が広い
・色味が良い、色の再現度が高い
・応答速度がちょっと遅め
・値段がちょっと高い
VA
映像鑑賞向き
・黒色の表現が綺麗
・コントラスト比が高い
・視野角が狭い
・応答速度が遅い

ゲーミングモニターとテレビはモニターサイズがけっこう違う

ゲーミングモニター一般的なテレビ
24・27・32インチ32・50・55・65~インチ

ゲーミングモニターはデスク上において使うことやゲーム内情報や映像の視認性の問題から、32インチ以上の大きさはなかなか存在しません。

ゲーミングモニターで1番人気は24インチになります。(アクションに集中しながらも画面端の情報に目線を移動させやすい。)

対してテレビは居間でモニターから離れて鑑賞することが多い性質上、32インチ~のサイズが一般的です。

物によっては200インチなんてのもあるみたいですね。(流石に大きすぎる気がしますが・・・)

ゲーミングモニターはテレビが見れない

ゲーミングモニターにはテレビの電波を受信する機能がありません。つまりテレビは見ることができません。

ある意味この部分がゲーミングモニターとテレビの最大の違いかもしれません。

ただし、↓のようなチューナーを別で取り付けることによってテレビを視聴することができます。

つまり最初から備わっていないだけで、ゲーミングモニターのテレビ化は可能なんですね。

ここまでするとゲーミングモニターとテレビの違いはあんまりないかもしれません。(ただ当然パネルの品質問題もあるのでゲーミングモニターが完全に上位互換というわけでもないです)

ゲーミングモニターはスピーカーの品質が貧弱

ゲーミングモニターにもテレビ同様スピーカーがついていることが多いですが、その99%はただ音を出すだけの貧弱なスピーカーです。

中にはスピーカー品質にこだわっている機種もありますが、それらはかなり価格が高いものが多く一般的ではありません。↓

ゲーミングモニターを使用する人は、ヘッドホンや高品質なデスクトップスピーカーを接続してゲームを楽しむ人が多いです。

FPSを代表とする対戦アクションゲームなんかは「音」を種別や位置関係まで正確に把握認識する必要があるのでヘッドホン使用者が特に多いですね。

ゲーミングモニターとテレビの違いまとめ

ゲーミングモニター
テレビ
  • 応答速度やリフレッシュレートといった性能が高い
  • 入力遅延が少ない
  • ポート数が多い
  • ゲームを有利にする機能が搭載されている
  • サイズが小さい
  • パネルの種類はIPSかTN
  • 不必要な機能はゲーミングモニターよりも低いもしくは搭載されていない
  • サイズが大きい
  • パネルが高品質
  • スピーカーが高品質

ここまで見てきた通り、ゲーミングモニターははっきりいって性能面のみで見たらゲーミングモニターのほうが上です。

しかし、テレビは映像をより良く鑑賞するためにパネルの品質(色味の良さや色再現度、暗いシーンの美麗さなど)はゲーミングモニターよりも高いです。

つまりゲーミングモニターはゲーム特化ですしテレビは映像特化という違いがあります。(まあ当然ですよね)