KindleやKoboなどの電子書籍リーダーを見ると、「フロントライト搭載」と書かれていることがあります。
ただ、ここで気になりやすいのが、フロントライトとバックライトは何が違うのかという点です。
この2つは名前が違うだけではありません。光の当て方も、画面の見え方も、向いている用途も違います。
この記事では、フロントライトの意味、バックライトとの違い、電子ペーパー端末でフロントライトが使われる理由を解説します。
フロントライトとは?電子ペーパー端末で使われるライトの仕組み
フロントライトとは、画面の表面側から光を当てて見やすくする仕組みです。
電子ペーパー端末は、スマホや液晶モニターのように画面そのものが強く発光しているわけではありません。周囲の光を反射して表示を見る、紙に近いタイプのディスプレイです。
このため、明るい場所では見やすい一方で、暗い場所ではそのままだと読みづらくなります。そこで使われるのがフロントライトです。
フロントライトでは、端末の側面などに配置したLEDの光を、薄い導光板を通して画面の表面側へ広げ、表示全体を照らします。E Ink日本語公式でも、側面からの光をディスプレイ全体へ均等に広げる仕組みとして説明されています。
要するに、画面の奥から光るのではなく、紙の上をやさしく照らす読書灯に近い仕組みです。
バックライトとは?液晶ディスプレイで使われる光の仕組み
バックライトとは、画面の裏側から光を当てる仕組みです。
液晶ディスプレイは、画面そのものが強く光っているわけではありません。そこで、画面の後ろにライトを置き、その光を使って映像を見せています。これがバックライトです。
テレビ、パソコン用モニター、ノートパソコン、液晶タブレットなどで広く使われています。
つまりバックライトは、画面を少し見やすくするための補助ではなく、液晶画面を映すために必要な光です。
なお、有機ELは液晶と違ってバックライトを使いません。画素そのものが発光するからです。ただ、この記事ではフロントライトとの違いをわかりやすくするために、まずは液晶のバックライトを基準に考えれば十分です。
フロントライトとバックライトの違いを簡単に比較
| 項目 | フロントライト | バックライト |
|---|---|---|
| 光の位置 | 画面の表面側 | 画面の裏側 |
| 主な採用例 | 電子ペーパー端末 | 液晶ディスプレイ |
| 画面の見え方 | 紙に近い落ち着いた見え方 | 画面自体が明るく光って見える |
| 暗い場所での見やすさ | ライトを点ければ読める | もともと明るく表示できる |
| 明るい場所での見やすさ | 屋外でも見やすい | 映り込みや眩しさが気になることがある |
| 向いている用途 | 読書、文章閲覧、ノート用途 | 動画、ゲーム、Web、カラー表示全般 |
同じ「ライト付きの画面」でも、フロントライトは見やすくするための光、バックライトは表示そのものを支える光という違いがあります。
なぜ電子ペーパー端末はフロントライトを使うのか
理由は、電子ペーパーが反射型ディスプレイだからです。
E Ink日本語公式でも、電子ペーパーは周囲の光を利用して見る反射型ディスプレイとして案内されています。表示を維持するだけなら電力をほとんど使わず、明るい場所でも見やすいのが大きな特徴です。
こうした性質を持つ画面では、液晶のように背面から強く光らせるよりも、必要なときだけ表面側から光を足すほうが相性が良くなります。
そのため電子ペーパー端末では、バックライトではなくフロントライトが採用されています。
フロントライトのメリット|電子書籍リーダーで使いやすい理由
暗い場所でも読みやすい
電子ペーパーは部屋が暗いとそのままでは見えにくくなりますが、フロントライトがあれば夜や寝室でも読みやすくなります。Amazon.co.jpのKindle紹介ページでも、スマホやタブレットのバックライトとは異なるフロントライトで読書しやすいことが案内されています。
明るい場所ではライトを弱めたり消したりできる
常に強く発光させる前提ではないので、周囲の明るさに合わせて使いやすいのも特徴です。昼はライトを切る、夜だけ点けるという使い方がしやすく、電子ペーパーの良さを活かせます。
暖色調整に対応する機種もある
最近の端末では、明るさだけでなく色味も調整できるモデルがあります。たとえばAmazon.co.jpのKindle Paperwhiteでは色調調節ライトが案内されており、楽天KoboでもComfortLight PRO対応モデルでは昼間向けの白色から夜向けの暖色系まで調整できます。
楽天KoboのComfortLight PROについては、楽天Kobo公式の電子書籍リーダーラインナップでも確認できます。
フロントライトの注意点|スマホやタブレットとは見え方が違う
スマホやタブレットのような明るさとは違う
フロントライトは、画面を発光させる仕組みではありません。あくまで表面を照らしているだけなので、スマホやタブレットのような明るく鮮やかな見え方を期待すると、最初は少し印象が違うと感じるはずです。
スマホやタブレットの画面とは性格が違う
電子ペーパーは、本や文章を読む用途には向いていますが、動画やゲームのように動きの多い表示には向いていません。これはフロントライトの弱点ではなく、電子ペーパー端末そのものの特徴です。
機種によって見え方に差がある
フロントライトは導光板で光を広げる構造なので、製品によっては明るさの均一さや色味の自然さに差が出ます。安い機種と上位機種で印象が変わることもあります。
フロントライトはどんな端末に使われている?KindleやKoboの例
フロントライトは、主に電子ペーパー端末で使われます。
代表的なのは次のような製品です。
- Kindle
- Kindle Paperwhite
- Kindle Colorsoft
- Kobo Clara / Libra / Sage系
- BOOXの電子ペーパー端末
Amazon.co.jpではKindleシリーズでフロントライト搭載モデルが案内されており、楽天KoboでもComfortLight / ComfortLight PROとして画面の明るさ調整機能が用意されています。
つまり、電子書籍リーダーで「ライト付き」と書かれていたら、基本的にはフロントライト搭載と考えて大きく外れません。
フロントライトとバックライトはどちらが良い?用途別に考える
どちらが上というより、向いている使い方が違います。
フロントライトが向いている人
- 本や文章を長く読む人
- 屋外や日中でも見やすい端末が欲しい人
- スマホより落ち着いた見え方で読みたい人
- 電子書籍リーダーや電子ノートを探している人
バックライトが向いている人
- 動画やゲームも楽しみたい人
- カラー表示の鮮やかさを重視したい人
- Webやアプリを幅広く使いたい人
- 1台で何でもこなしたい人
迷ったときは、読書中心ならフロントライト、総合的な使いやすさを重視するならバックライトのある液晶端末と考えると判断しやすいです。
フロントライトでよくある誤解
フロントライトは目に優しいから絶対に疲れない?
そこまで単純な話ではありません。
ただ、フロントライト付き電子ペーパーは液晶とは見え方が異なります。E Ink日本語サイトでも、ePaperはLCDより目への負担を抑えやすい方向性が紹介されています。
とはいえ、実際の感じ方は明るさ設定、周囲の照明、文字サイズ、読む時間の長さでも変わります。フロントライトなら無条件で疲れないと考えるより、自分に合う明るさに調整しやすいと捉えるほうが自然です。
フロントライトはバックライトの言い換え?
違います。
フロントライトは表面側から照らし、バックライトは裏側から照らします。仕組みが違うので、見え方も向いている用途も変わります。
まとめ|フロントライトは電子ペーパー端末と相性の良いライト
フロントライトとは、画面の表面側から光を当てて見やすくする仕組みです。
一方のバックライトは、画面の裏側から光を当てて表示そのものを成り立たせる仕組みです。
この違いがあるからこそ、電子ペーパー端末は紙に近い見え方を保ちながら、暗い場所でも読みやすくできるようになっています。
KindleやKoboなどの電子書籍リーダーを選ぶときは、ただ「ライト付きかどうか」だけで見るのではなく、そのライトがフロントライトなのか、バックライト系の発光画面なのかを見ることが大切です。
読書中心ならフロントライト搭載の電子ペーパー端末、動画やアプリも幅広く使いたいならバックライト系の液晶端末という形で考えると、自分に合った選び方がしやすくなります。

